漆風的新作話
2007年07月05日 ちょっと大きめに挑戦してみる!


漆塗り風の木箱を手に入れてみた!

「ちょっと大きすぎたようだ」

いやはや、小型木造ギターアンプ受注話も一段落して、後は納品するのを待つばかりとなった。受け取られてのご感想なんぞを早く聞きたいところではあるが、諸事情があり今月中旬にならないと引き渡しができなくなってしまった。てなことで早くも次の構想へと向かうのである!(又アンプ話かよ〜!そろそろ飽きて来たぞ!)

先日製作した木造アンプは、思っていたよりもデザインが好評で、手に入れたいという方々がその後もチラホラと「欲しいなあ・・・」と遠慮がちな表明をされていた。もう少し量産してもよいのだが、さすがに数がまとまると材料費も体力もシャレにならなくなる。気前よく「差し上げます!」とばかりは言っていられない経済状況なのだ。


あのアンプのデザインの肝は「木製ポケットティッシュケース」を100円ショップで発見したところから始まったのだが、昨日「果たしてもう一度量産できるか?」と念のために100円ショップ3軒調査してみたところ、もうどこにもあの「木製ポケットティッシュケース」は売っていなかったのだ。ケースが手に入らなければもう作ることはできないなあ。ケースをいちから作る気は全くないのでね。

実は同じサイズのケースで微妙にデザインの違うもう1種類が存在する。100円ショップにはそちらのタイプならまだ在庫があったのだが、そいつのデザインには私は心を奪われなかった。売れ残っているということは、やはりデザイン的に他の方々もそう感じたのだろうな。100円ショップでは売れないものは在庫が切れ次第販売しなくなるので、別デザインはいずれは消えていくのだろう。

しからばと、私は新しい素材を探して100円ショップ店内をうろついてみた。商品を見ることで新しい発想が生まれることがあるのだ!先日まで「木製ポケットティッシュケース」が置いてあった棚のそばで、別の木箱を見つけた。それは「漆塗り風木箱」である。「風」ということは「漆塗り」ではないということだね。以前見た時は210円で売られていたのだが、なんと半額の105円に値下げされていたのだ。やはりこいつも売れなくてそろそろ廃盤になるんだろうな。

その朱色の箱を手に取りじっくり見ていたら、突然「アンプの神」が舞い降りてきたのである!「次回作は2スピーカーのアンプを作りなさい!」そう囁きかけてきたのである!(ほんとかよ〜?)朱色の箱はかなり横長である。テレビでいえば、ハイビジョンサイズとでも言おうか、アンプのケースとしては、バランスがいささか横長すぎる。

だが、直径7cmのスピーカーを横方向に少し隙間を空けて2個並べると、ちょうど程よく収まる感じなのだ。塗装も漆っぽくてチープ感が少ない。蓋が付いていなかったので、それは桐の板材だけ買って作ることにした。桐は軽い材なので、音響的にはいかばかりかとも思ったのだが、加工性が良いし裏蓋にするので桐でも問題ないだろう。赤い漆塗り風と桐の白木の裏蓋。ううむ・・・和風のイメージだなあ〜!

手に入れて早速、箱の加工を始めた。ところが・・・加工が終わってからの塗装ではなく、塗装されたものを加工するのである!一歩間違えれば一瞬にして傷だらけになり使いものにならなくなる。緊張の瞬間が瞬間でなくなり長時間持続するのである!かなり冷や汗ものなのだ!

慎重に電気ドリルで穴を開けリーマーで広げ、適正サイズにしていく。メインの作業はスピーカー用の直径6.3mmの穴2つだ。思い切って一気に切り抜いた。電気ドリルの実力は素晴らしかった!見事にぴったりサイズの穴が開いたのだ!合計5つの穴ができた。これで箱はOKだ。次に裏蓋製作となる。

板を必要サイズに切りだしたのち、センターにオーバーホールを作り、ホールのエッジを紙やすりで削りなだらかにした。この後は天気の良い日を見計らってクリア塗装し、ねじ止め用の穴を開ければ裏蓋の完成だ。



取り付けたスピーカーは、先日20個まとめて買った「8Ω 14w 直径6.7cm」2個だ。在庫がたっぷりあるので、トラブルがあっても安心だ!14w対応なので、私が作る程度のアンプでは音が割れることもないだろう。なんてなことを考えていた時、突然2回目の神が舞い降りた!「BTL回路にしなさい!」おおお〜〜〜なんてこったい!いままで一度も作ったことがないものに挑戦しろってか?

BTL回路とは、簡単に説明するとステレオアンプをモノラル出力で使う技である。これによって約2倍の出力が出せるようになるのだ。私が作るようなアンプはもともと出力が小さいので、少しでも大きい音にしたい場合はBTL回路を使うと有利なのだそうだ!で、さっそく取り掛かってみた。BTL回路図は手に入れてあったので、それを見つつ手持ちのステレオ用オペアンプで組んでみた。

結果はすぐに出た。音が出ね〜〜〜!!!なんだよこれ?自信を持って回路を組んだのだが・・・。何が間違っているのだろうか?回路図をにらみながら配線を確認すると、どこにも問題がなかった。ううむ・・・理解できない・・・。気が収まらないので、いったん回路をばらして、一から組みなおしてみた。



しか〜〜〜し!今回もまた音は出なかった。こんなに簡単な回路なのに何が原因なのか全くわからない。くっそ〜〜〜!!!BTL回路に関してはもう一度勉強し直すことにして、とりあえず今回は早く仕上げたかったので、前に作った量産型回路を再利用してみることに作戦変更した!実にイージーであるが、趣味だからいいじゃね〜かよ〜!こっちの回路であれば何も問題はない。手慣れた感じでサクサクと作り上げ、サウンド調整用のノブはボリュームとGAINコントロールをつけた。問題なく一発でテストサウンドは出てくれた。よしよし!

だが・・・完成間際になっていろいろケースをいじっているうちに、致命的なことに気づいた。スピーカー保護を何もつけていないので、やたらにスピーカーのコーンに指先が触れてしまうのだ!こりゃあいかんなあ〜!そのうち指を突っ込みコーンを破ってしまうに違いない!


スピーカーが不用心である!

さて何をスピーカーの保護材として使うべきか?考え付くものをいろいろ頭の中でシュミレーションしてみたが、デザイン的な要素と出音を妨げないという要素があるので、何でもかんでも取り付ければよいというものではない。そこで、WEBで探してみると意外にも早々と見つかった。コンピュータ冷却ファンの保護用金属製カバーである。針金でできているので音は問題なくすり抜けられる。デザインもそこそこである。とりあえず10個ほどWEBで注文してみた。

そしてなんと!昨日夕方に注文した金属製カバーは、早くも本日夕方に配達されたのである!今回初めて注文したショップなのだが、「千石電商」の配送対応力は驚異的である!ファンになってしまうな〜!次回からここをメインにしようっと!そして・・・取り付けが完了した!これが完成形だ〜〜〜!!!


最後にキチンとサウンドチェックしてみると・・・どうも音が眠い感じだ。エッジがボケている。抜けが悪いと言った方が分かりやすいか?裏蓋を全部外してしまうと少しだけ改善したが・・・。スピーカーをダブルにしたので、これくらいのエンクロージャーで良いだろうと思っていたのだが、ちょっと大きすぎたようだ。

さらに、スピーカーを取り付けているバッフル板の厚さにも問題があるようだ。これくらいのケースサイズだと、もう少しバッフル板が厚くないと安易に振動してしまい、音に締まりがない感じになってしまうようだな。今回はなかなか勉強になった!もう一つこの箱を手に入れているので、次回はこいつの改良型を作ってみる事にしよう!(おいおい!まだやんのかよ〜!)



本日の結論
いつになったら飽きるんだろうね?

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