六弦的擦発注

2007年03月16日 初めてプロに出してみた・・・!


フレットはこのように仕上げられる!

「泣きそうになりながら何とか」

オークション等で手に入れた中古ギターの場合、整備がいい加減なモノが多い。数年間手つかずで押し入れに入れっぱなし状態のモノも多数存在する。たいていの整備は、メンテは自分で楽しみながらやるので中古のギターでも問題は無いのだが・・・。新品のギターだって安心は出来ない。フレットが最初から微妙にビビる場合もあるのだ。

かつて手に入れて結構気に入っていたギターがある。Fender Tele CustomShopだ。Fender なのだが、セットネックでマホボディー、メイプルトップ、マホネックにハムバッカー2発搭載とまるでGibsonのような仕様のカスタムモデルである。日本には10本ほど存在すると聞いた事がある!



前の持ち主は、プロの音楽家だ。ギタリストとは違うようだが、ギターの評論とか、本を書くとかとにかく音楽で飯を食っている方である。その方が使っていたギターなので、キレイキレイ状態ではなかった。サウンドは素晴らしいのだが、歴戦の強者なのでフレットがかなり減っていたのであった。

一年ほどは手に入れたまま使い続けていたのだが、どうもフレットのビビリが気になるようになって来た。コンデンサを取り替えたりの電気系統作業はやっていたが、フレットの擦り合わせはまだやっていなかったし、自分でやる自信も無かった。そこで試しに他の手持ちギターで一番フレットが減っていたGibsonを練習台に自力でフレットすりあわせしてみようと数年前にやってみた。

作業後、確かにそのGibsonは滑らかな引き心地を取り戻した。使用上の問題は全く無い。だが、私の作業はそれで良かったのだろうか?プロの美しい仕上がりを観てみたいとの願望は残っていた。通常のフレット擦り合わせは一般的に8000円〜10000円程度の料金である。果たしてそれだけの価値はあるのか?そう思い続けてFenderは放置されっぱなしだった。

1週間ほど前の事だった。ヤフオクを観ていたら「フレット擦り合わせ作業&調整&クリーニング」が出品されていた。しかも格安の5000円ポッキリ!ギターを宅急便でやり取りし往復の送料は依頼者持ちだという。往復の送料を入れれば8000円〜9000円程度のトータル料金になる。その作業内容は以下の通りだった。

内容と致しましては、

『フレット擦り合わせ』
フレットを削った後に角を落とし、フレット本来のアールにする行程を行いますので滑らかな運指が出来ます。

『調整』
ネックの反りをレンチで修正し(トラスロッドが効かなくなっている物に関しましては修正が出来ません)、ブリッジでの弦高調整、オクターブ調整になります。

『クリーニング』
指板、ボディ、パーツに付いた汚れを綺麗に落とします。またジャック等の金属パーツに曇りや錆が出ているとガリのもとになりますのでここも綺麗に致します。

つまり送料を別として、中古ギター整備に通常必要な作業は全部入って5000円なのである!これは安い!自分でやるのも楽しいのだが、たまにはプロの手を借りてもよいではないか!しかも、この出品者は世田谷区在住であった。当家からそう遠くはない。私も暇だし、ギターを直接持ち込んで作業をやってもらうのはどうだろうか?往復の送料もかからないし、職人の顔も観てみたい・・・。てなことで、さっそくメールで連絡を取ってみた。

自宅は環七の若林陸橋近くであった。店舗をもっていないので自宅での作業だと言う。当家から車で30〜40分か?3月13日の午後に出かける事にした。東京人は知っているだろうが、世田谷住宅地の道路は細く曲がりくねり一種の迷路状態である。車がはまり込んで動けなる事も多々ある。そんな一角に出品者の自宅はあった。案の定、私の車は細い路地にはまり込み、泣きそうになりながら何とかたどり着いたのであった。車の横で作業をしてくれる職人と顔合わせをし、そのままFenderを引き渡した。3日程度預かると言うが・・・。

15日夜には早くも「作業終了致しました!」とメールが届いた。素早い対応である!本日の午後には引き取りに行った。だが・・・又しても世田谷裏道地獄に陥ったのである!目的地はすぐソバなのになかなか近づけない!しまいにゃあ、近道しようとしてあまりにも細い裏道に車がはまり込み、前進も後進も出来ない状態に!大きめの車に乗っていると辛いのだ!そこをなんとか抜け出したのは30分後だった。

ようやくたどり着き、ギターの受け取りをした。その場でチェック!フレットの仕上がりは問題なし!滑らかな引き心地が蘇っていた!きっちりセッティングも終了している。ギター全体のクリーニングも済まされているので気持ちよい!指板もツルツルに仕上げられている。これで5000円なら大満足だ!

受け取ったFenderを自宅に帰って弾いてみると、滑らかな引き心地があまりにも気持ちよくて、ついつい深夜まで弾き続けてしまった!そうか〜〜〜!!!ギターの練習が楽しくなるほどのギター整備を施しておくのが上達の秘訣なのだろうなあ〜〜〜!!!

ギターメンテ職人はこう言う。
「今までは、スタジオミュージシャンのギターメンテナンスをやってきましたが、
 仕事量を増やす為に、宣伝としてオークションに出してみました。
 この作業内容で1万円は高すぎると思いますよ!」

価値観の問題ではあると思うが、プロギタリストが自分の道具に金をかけてメンテするのは当たり前である。だが、私のように素人が何本もギターを持っている場合、頻繁にメンテナンスに出すにはコストがかかりすぎる。そこでリーズナブルにやってもらえるメンテナンス職人を必要としていたのだが、今まで近所ではなかなか見つける事が出来なかったのである。

ちなみに、以下がそのメンテナンス職人の連絡先だ!

JUNGLE GUITARS
jungle-guitars@y5.dion.ne.jp

ご近所でギターメンテが必要な方は一度ご連絡されてみてはどうだろうか?
フレットの打ち換えもかなり安くやってもらえるぞ〜〜〜!



本日の結論
今日もまた1本、フレットの擦り合わせを発注してしまった!

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