雑談的藍色考

2005年08月08日 ジーンズの時代性!




「穴の発生がちょっとだけ嬉しく」

私が初めてジーンズを買ったのは、高校を卒業した直後だった。1971年のことだ。それまでの世間のジーンズに対するイメージは「不良の服」だった。今から考えると笑えるイメージだったなあ。私が手に入れたジーンズはブーツカットのベルボトム。当時はそれが主流だったのだ。

さて、何故このようなジーンズ話をスタートしたのかと言えば、それは娘が買って来たジーンズによって触発されたからだ。娘が買って来たのは見た目に「ボロボロの古着ジーンズ」だった。両膝ともに穴が開き、至る所にほつれや、すり切れた部分があった。アメリカ製だと言う。私が新品を履いたら、10年経ってもあのようにはならないと思えるほどである。しかもそれがどうも高額であるらしい。

その娘のジーンズは、買って来ていきなりジッパーが壊れた。すぐさまクレームをつけ、別の商品へ取り替えてもらっていた。別の商品と言っても同じ「ボロボロのジーンズ」であることに変わりはない。そして、その取り替えたばかりのジーンズもやはり1日でジッパーが壊れていた。もともとボロボロノジーンズなので、さもありなんと言った感じだが・・・。娘はこれまたクレームをつけて、ジーンズジョップにジッパー修理を依頼していたようだ。手間がかかる「ボロボロのジーンズ」である!

昨今は、膝に穴があいたジーンズを人前で着用するのに抵抗感がなくなっているようだ。電車の中でも多く見かける。そのようなジーンズを着用しているタレントも多くテレビに出演している。つまりファッションであるといえる。だが、どうも私は好きになれないのだ。新しいジーンズを自分で着古して徐々に退色し、自然に穴があいたのならまだ理解出来るが、いきなり新品状態で「ボロボロ」を買う感覚は私にはない。「年寄りなんだよ!」といわれればそうなのかもしれないが・・・。昔は、ジーンズの膝に穴があけばそこから切って短パンにした。今は買った最初から穴があいている・・・。

ケミカルウォッシュでさえ「邪道」だと言われていた時代があったのに、今はそれを通り越して最初から「穴」なのである!

ある日気がつけば、娘はジーンズスカートの太もも部分の横糸を切って抜く作業を行っていた。それによって生地に隙間が出来上がっていた。それもまたファッションか・・・。ううむ・・・確かにギターでもそのように手を加え、塗装にひびを入れたりして古びたように見せるテクニックはあるのだが、それも好きになれない私だ。

同じギターを長年弾いていると、フレットが減り始める。ある程度減ってくると、音がビビって使いづらくなるので、擦り合わせやフレット交換が必要になる。素人がそこまでギターを弾き倒すのはなかなか出来ることではないが、そこまで来ると「弾いたな〜〜〜!!!」と、たどり着くまでのいきさつと時間経過を思い出し感慨深いものが有る。

モノはいずれ時とともに滅びて行く。その滅び行く様を時間をかけて楽しまずにいきなり古びさせても楽しくないような気がする。新品状態でボロボロのジーンズは骨董品で言えば「贋作」にあたるぞ!人生で言えば、高校生がいきなり70歳になるような時間的ジャンプを昨今はジーンズに対して行っているのだ。無理がある気がしないか?ファッションだと言えば、何でも許される時代なのかなあ?

私がはき続けているジーンズが、最近になり膝周辺に小さな穴があき始めた。15年ほどたまに履いているジーンンズである。私もこの穴の発生がちょっとだけ嬉しくなっているのは何故だろう?



本日の結論
真新しいジーンズを着用している女性を観ると清々しい気持ちになるなあ!

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