六弦的新規造

2005年07月22日 想わぬ展開となって!


McNaught


「不幸がさらに不幸を呼び込んだが」

人生はプラスマイナスゼロと考えた場合、不幸は不幸のままで終わらない。小さな不幸の後には小さな幸せがやってくるのは世のセオリーなのだろうか?私の周りでこのような出来事が起こったのだ。

皆様はまだ覚えているだろうか?私がオークションで手にいれたMcNaughtギターの存在である。3弦の5フレットつまりCの音にサスティーンがほとんど無く、3秒で音が消えてしまうデッドポイントを持った悲しいギターのことだ。この現象を発見したとき、私は「どうするんだよ〜〜〜!!!高級ギターなのに〜〜〜!!!」と頭を抱えてしまった。

 
オモリ装着前  →  オモリ装着後

様々な調整、チェックを施し、ヘッドに重りを付けたりして観察した結果、フレットのせいではないと判明。明らかなるデッドポイントの存在があることが分かった。その後プロのギターテクにも診せた。出て来た答えは「デッドポイントだけではなく、高い周波数の共振音も出ている。調整や修理ではいかんともしがたい!」であった。ではこの高級カスタムギターをどうするのか?そのまま放置するわけにはいかない!

McNaughtの譲渡者であったM氏と協議の結果「製作者にいったん返品し判断してもらおう!」との結論に達した。M氏はギターディーラー業界にネットワークの広い方なのだ!6月末のことである。すぐにM氏の手配で厳重に梱包されたギターは発送され、配送のドタバタも有ったが、無事海を渡りアメリカのディーラー経由でMcNaught本人の手に渡されたのはつい先日のことである。

そして、製作者のMcNaught本人からやって来た返事は「ネック材と指板材の音響特性のマッチングが悪かったようだ。修理では何ともならないので、新しいギターを造って納品したいがよろしいか?新しく造るので貴方好みの仕様で好きに出来るぞ!ちなみに指板は以前のギターにはハカランダが使われていたが、新しいギターにはエボニーがお勧めである!」と潔かった。

さて、この内容に対し私はどうするべきだろうか?M氏は私に対し「オークションをキャンセルされてもかまいませんよ」と優しく声をかけてくれたのである。つまり「返金してこの件は無かったことにする」ことも可能だと言うことだな。それはそれで魅力的なお誘いだが、いったん支払ったお金を返してもらうだけではつまらない。もっと冒険してみたいではないか!

本来McNaughtのギターは受注生産である。つまり高額なカスタムオーダーのギターなのだ。もともと私のようにオークションで手に入れるのは邪道ではないのか?そこでじっくり考えてみよう・・・。今回のケースは道中色々あったが、結果的には「私好みで直接正式にカスタムオーダーをする」形になるではないか!おおお!!!そうかそうか!オークションで手に入れた価格のままで、これから新たに私のオリジナルギターを発注出来るのである!美味しい話ではないか!乗ったぞ!のったぞ〜〜〜!!!

てなことで、M氏の協力のもと私は新しいギターのスペックを早々にまとめあげた。ふっふっふ・・・返品したギターとは全く違う発想のもと仕様は出来上がった。そして、すでに新ギターの発注はなされたのである・・・。完成予定は60日〜90日後と1か月も開きがあるが、楽しみは先に延ばす方が楽しいぞ!早ければ9月下旬。遅くても10月末には完成しそうな気配である!グレートな新ギターが楽しみだ〜〜〜!!!

思い起こせばそもそもMcNaughtに手を出す切っ掛けとなったのは「D-45事件」に巻き込まれたからである。オークションで落札した「D-45」が納品もされず返金もされない状態が長く続いたが、やがて少しずつ返金が始まったことで、その返金分を使ってMcNaughtをオークション落札したのである。さらに手に入れたそのMcNaughtが不良品であったため、カスタムオーダーになったと・・・。不幸がさらに不幸を呼び込んだが最後は幸福な結果になる・・・そんな感じの展開である。しかも今の私は「D-45」は全く欲していないのである!結果的には大正解の展開なのだ。

ところで・・・不幸は不幸のままで終わらないという結果がもたらすものは、幸福は幸福のままで終わらないという逆説的意味合いも持つのだろうねえ・・・。



本日の結論
果たしてこの先どのような劇的結末が待ち受けるのか?皆さんで予想してみて下さい!

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