泥棒的記憶談

2005年06月06日 まったく空き巣って奴は!



「時期がもう少し遅ければ」

先日、某登録会員のご自宅に泥棒が入ったと知った。奥さんが泥棒とでっくわしたようだが、幸いけが人は出なかったようだ。ご無事で何よりです。しかも4名の泥棒は全員捕まったとか。それ以上の情報はまだ私は知らないが・・・。

私にも泥棒に入られた記憶が2回ある。まだ私が結婚前の時代に妻のアパートに空き巣が入った。2階建てアパートの2階だった。世間では「かぐや姫」の「神田川」が流行っていた時代である。1973年頃か?現金とラジカセが盗まれたのだが、現金には2種類あった。まずお札。これは見事に空き巣に隠し場所を見つけ出され抜き取られていた。

もう一つは「小銭」である。 あの頃流行っていたのは、サントリーの角ビンにスリットを開けて、大きな貯金箱にすることだった。角ビンには最初から深い刻みが入れてあるので、その部分を根気よく削って行くとコインが入る程度のスリットは作れるのだ。コツはバケツに入れた水中で作業をやること。水によって振動が吸収されガラスが大きく割れることがなく、きれいなスリットが作れるのだ。私が妻に造ってあげたものだった。

さて、そのように出来上がった角ビン貯金箱には、日々サイフに残った小銭を入れることでわずかながらも貯蓄が出来る。しかも透き通っているガラスビンなので、貯まる様子が眺められる。そうなると貯蓄へのモチベーションが上がり、貯まるスピードも上がって行くのだ。しかし!このように貯蓄した場合、小銭を入れやすい眼につきやすい場所においてあるのが通常である。ましてや4.5畳の小さな部屋なのだ、すぐに空き巣の眼にも入ることになる。

その角ビン貯金箱は空き巣によって無惨にも打ち砕かれた。室内にはガラスの破片が飛び散り、全ての小銭が奪い去られていたのだ。お札を取ったのだから、それくらいは残しておいてやれよ〜!と言いたくなる光景である。まあ、私がそれを目撃したわけではないので、あくまでも想像の光景であるが。

さて、問題はこの先に起こる。妻は警察への通報を行い、当然現場検証が行われる。そして指紋の採取となる。この頃私は半同棲状態だったので、この部屋の中には私の指紋がベタベタである。私の指紋はその際に警察に採取され保管されたはずだ。当時はまだ今ほどのコンンピュータ社会ではなかったので、私の指紋は、膨大なファイルの中に埋もれてしまったのだろうが、それがその後スキャニングされ今まさに警察の指紋データベースの中にあるとすれば、ううむ・・・。

その後、ラジカセは質屋から発見され、妻が買い戻した。

時は流れ、私たちは結婚した。千葉県浦安市に1年間だけ住んでいた期間がある。1978年〜1979年頃だ。1月だったと記憶しているが、正月に妻が着た着物の肌襦袢を乾かすために窓辺に掛けてあった。大きな曇りガラス窓越しにそれは見えたはずだ。住んでいたのはアパートの1階である。夕方帰り着くと、ガラス窓が打ち破られ、肌襦袢が盗まれていた。

それともう一つ。以前一度盗まれた経歴があるラジカセが再び盗まれていたのである!なんと数奇な運命を持つラジカセだろうか!しかし、この時はもうラジカセが質屋から出てくることはなかった。 現金は置いていなかったので、被害は「肌襦袢」「ラジカセ」「ガラス」の3点だけだった。しかし、何を考えているのだろうか?この空き巣は・・・。

もっとも、このアパートでは頻繁に洗濯物から下着が盗まれていたなあ・・・。周りが2階建てのアパートばかりでしかも共稼ぎが多かったので、昼間はほとんど人の気配がなかったのだ。 そう言えば、その数ヶ月後に私はギブソン・レスポール・カスタムを買ったと記憶している。もし、空き巣の入った時期がもう少し遅ければ、あのギブソンはとっくに手元になかったかもしれんなあ〜!



本日の結論
今は酒も飲まなくなったので、角ビン貯金箱はもう二度と作らない。

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