蟹味的差別化
2004年11月29日 あえて発注するとどうなるのか?
 

これはどっちだ?


「ファイト・クラブ」

世の中には「バチモノ」と呼ばれる怪し気な製品がたくさん存在している。著作権を無視して造られた製品等がそうだ。例えば、かつて流行ったものに「サザエボン」がある。「サザエさん」の体に顔だけ「バカボンのパパ」が付けられた人形だ。二つのキャラクターの著作権を無視して合体させた新キャラなのだが、許されるはずが無くすぐに摘発されて消えてしまった・・・。が・・・私の好きなキャラだった・・・。

さて、このように人為的に造られた「バチモノ」はイカン!と声高に叫ぶ著作権所持者達であるが、これが「自然界」のできごとであった場合どうなるのか?著作者がいない状況で自然に出来上がるバチモノとは?一体何か?すでに御存じの方も多いだろうが「タラバガニ」についてその状況がある。一言で言えば「タラバガニ」と称して売られている蟹の中に「アブラガニ」を意図的に混入していたことがあるという状況だ。

何故そのようなことが起こるのか?「タラバガニ」は「レッドキングクラブ」とよばれ「蟹の王道」である。味も絶品である。だが見た目そっくりの「アブラガニ」はやや味が落ちるという。しかし仕入れ価格が安く、さらに茹でてしまえば素人には「タラバガニ」と見分けがつきにくく「タラバガニ」と同じ価格で売れば利益が多く確保できるのだ。

以前「タラバガニ」=「本タラバガニ」とし「アブラガニ」を「アブラタラバガニ」と称して販売していたことで混乱が起き、通販等で「意図的な間違い」が多発し騒動になったことで、現在では「タラバガニ」および「アブラガニ」の名称で統一され混乱を避けている。つまり荒っぽっく申し上げれば、「アブラガニ」は「タラバガニ」のバチモンとしての位置付けにあるのだ。が・・・。

捕獲時期によっては「アブラガニ」の方が旨いと判定する方々も多いと聞く。甘味やコクがあると言う方もいるようだ。反面繊維っぽさを感じるとも・・・。そのように「個人の味覚」による判断は難しいものがある。どちらが高級と言うより、個人の好きずきではないのか?とも思うのだが・・・。

「タラバガニ」と「アブラガニ」は同じタラバガニ科の生物である。もっといえば両方共に「やどかり」の仲間なのだ。生物学的に序列があるわけがない。あくまでも人間が勝手に決めた「高級蟹」「ランク落ち蟹」のポジショニニングなのだ!

これでは一方的に責められる「アブラガニ」の存在が哀れではないか?自然界に生まれ、何不自由なく海底で生活していた「アブラガニ」は水揚げされたことで、突然「ニセモノ」的扱いをされるようになるのだ。「アブラガアニ」にしてみれば「蟹権侵害」の扱かわれようである!しかし!ここで視点を変えてみよう。

てなことで・・・妄想の始まりである!

「アブラガニ」は「タラバガニ」より味がランク下だとの人間側の勝手な判定により乱獲対象から外されているのでは?つまり「アブラガニ」の方が、生存率が高いのではないだろうか?さらに「アブラガニ」は、あえて「タラバガニ」より味を落し種の保存を狙っているのでは?とも考えられる。そうなると、昨今の「タラバガニ」乱獲の後に待っているのは・・・「タラバガニ」不在の状況になった時、自然発生的に「アブラガニ」の地位向上が観られるかも知れない。 そうなると「アブラガニ」の乱獲も始まるのか?ううむ・・・そうなると「アブラガニ」は種の保存の為、さらに次の手を打ち始める事が予想される。

このニュースが昨日流された。

スギヒラタケ自体に毒性 マウス実験で確認

急性脳炎・脳症を引き起こす可能性が問題となっているスギヒラタケが、マウスに対して致死性の毒性をもっていることが28日までに、静岡大農学部の河岸洋和教授(天然物化学)らのグループの研究で分かった。29日午後、厚生労働省の研究班の会合で報告する。

人体への影響や毒性物質が特定されたわけではないが、キノコ自体になんらかの毒性が含まれている疑いが出てきた。河岸教授らは、多数の患者が発症している甲信越地方のスギヒラタケを採取。マウスに与える実験を重ねたところ、「水に溶け、熱に強い高分子」の成分が、マウスに対して強い毒性をもつことが判明した。河岸教授は「環境の変化で、今年のスギヒラタケが急に強い毒性をもった可能性が考えられる」としている。




スギヒラタケ


いままで、食用とされていた「スギヒラタケ」が今年になり突然毒性を持つようになった可能性があると言うのだ!これが「アブラガニ」に起こらないと言い切れるだろうか?「アブラガニ」の周辺から「タラバガニ」が消えて行くに従って「アブラガニ」は危機感を持ち始め、徐々に毒性を持った餌を補食するようになる生物的プログラムが、DNAに埋め込まれているとは考えられないだろうか?蟹の中ではすでに「スベスベマンジュウガニ」が「テトロドトキシン」を蓄積していることが確認されているのだ。

自然界のトラフグは補食した餌の中から「テトロドトキシン」を体内に蓄積させ毒性を持つようになるが、養殖で育てると毒性を持たない。餌に毒性がないからだ。しかし「アブラガニ」とて海の中で生きているのである!海底の餌を採るうちに「テトロドトキシン」をたっぷり蓄積したっていいじゃな〜い!(なんか文体が変!)

そうなると、ある日突然「アブラガニ」食後に倒れる人が出てくる。人々は原因が解らないので、単なる食中毒かと思われて対応が遅れる。「アブラガニ」はその作戦が成功したことにより頭に乗り、さらに毒化作戦を加速させることになる。ううむ・・・恐るべき「アブラガニ」の生態である!しかし、人間はそれを放置しておくわけにはいかない。「全日本油蟹審議会」は国民の安全を守るため「タラバガニ」に紛れ込んだ「アブラガニ」に手を出さないよう広報しはじめるのである!

そして、素人にも分りやすい見分け方は以下のようなものである!(ここは本当の情報!)

「タラバガニ」が「レッドキングクラブ」であるのに対し「アブラガニ」=「ブルーキングクラブ」と呼ばれる。つまり活蟹の段階であれば脚の色がブルーっぽい蟹が「アブラガニ」である。しか〜し!この色の違いは茹でてしまうとなくなってしまう。ほとんど見分けはつかない。ところがよ〜く注意してみると・・・。「タラバガニ」と「アブラガニ」は、甲羅の真ん中にあるトゲの数に差がある。「タラバガニ」6個に対し「アブラガニ」は4個なのだ。で、これもまた脚だけにされてしまうと、トゲが見えないため判断できなくなる。さて困った・・・。そんな時は、裏返してみよう!「タラバガニ」は裏側も赤いのだが、「アブラガニ」は裏側が白っぽいのだ。

タラバガニ
アブラガニ

時は流れ、人々が「アブラガニ」の特徴を知り、ほとんど事故は起こらなくなった。だが・・・生物の進化はとまることを知らなかった。「アブラガニ」はやがて擬態を始めた・・・。背中のトゲが4個から6個へと・・・増加し始めたのだ。さらに青みがかった色も少しずつ赤に近付き始めていた。人類がしらないうちに海底では進化が進み、やがて「アブラガニ」の変態は完了し「タラバガニ」とまったく見分けがつかなくなった・・・。「アブラガニ」の執拗なまでの「タラバガニ」に対する憎しみがそうさせるのだろうか?再び、人間社会に「アブラガニ」恐怖が舞い降りたのである!

さらに「蟹」の進化は続いた。今度は「タラバガニ」である!「アブラガニ」一族のゲリラ的変態を横目にのうのうと暮らしていたように見えた「タラバガニ」であったが、実はDNAの秘密工作がすでに始まっていたのだ。「アブラガニ」が毒性を強めたことで、生存率が急上昇した。そこで「タラバガニ」も密かに「テトロドトキシン」の蓄積に励み始めていたのだ。

全ての「タラバガニ」が毒性を持つようになったころ、ふと振り返れば「アブラガニ」はさらに作戦を変更し変態を元に戻し始めていた、再びトゲを4個持ち毒性のない本来の姿へと戻っていたのだ。だが「タラバガニ」は毒性を消す努力をしなかったため「没落蟹」として扱われるようになった・・・。やがて毒性が消えたと確認された「アブラガニ」は人々に珍重されるようになり「蟹の王道」として君臨したそうな。「タラバガニ」から身を呈して名誉をもぎ取った「アブラガニ」であった!その後「アブラガニ」の生態を赤裸々に記録したドキュメンタリー映画「ファイト・クラブ」が公開されたそうな・・・。めでたし、めでたし!

って・・・何の話しだよ?今日もわけの分らんことを書いてしまったなあ・・・。



本日の結論
「アブラガニ」の味はどの程度のモノなのか?安いので通販で買ってみようっと!

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