六弦的三本噺
2004年08月25日 3つのストーリーが同時展開だ!


ピックガードは1500円でつけてあげます。


「お調子者の日本人が」

8月24日にヤフーのギターオークションにからむ3つの出来事があった。

まずはその1

24日深夜、登録会員00197 シーサイド鈴木様からメールが届いた。緊急の問い合わせだった・・・。何ごとだと読んでみたが、明確な事実関係が書かれていなかったので、いまいち把握できなかった。書かれていた内容を簡単に箇条書きにしてみると以下のような事だった。

● ヤフーオークションに入札していたのを失念していた。
● 突然、出品者から落札の権利があると連絡があった。
● 上位入札者がキャンセルすると次点者に権利が移るのか?

この時点ではまだ、鈴木氏の順位が判明していなかったが、私は3番手くらいだろうなと推察していた。そこで「上位入札者がキャンセルすれば、当然のごとく次点者に権利が移るシステムである」と答ておいた。ところが・・・その後、再びメールが届いた。その文章を読んでビックらこいた私である!そんなバカな!内容をまたもや箇条書きにすると・・・。

● 入札順位は8位。入札金額自体は11万ちょっと。
● 入札履歴を見ると、落札者が自分で落札金額を上げていた形跡あり。
● ブツはギブソンカスタムショップ’56ゴールドトップ。ブツに文句は無いが・・・本音はほしい。
● 怪しいとも思うが、取りあえず、チャレンジ精神で・・・とは思っている。

ううむ・・・詐偽の臭いがプンプンンンの状況だ。まず、順位が8位の入札者に到達するまで上位者のキャンセルが続くことは、通常あり得ない。さらに、入札価格つり上げの形跡があるなら手を出すべきではない。ましてやこの商品を11万ちょっとの金額で急いで処分しなければならないとは思えない。オークションに再出品すればそれより遥かに高い金額で落札されるはずだ。メールに書かれた内容から判断するに、これは詐偽である!

さて、このような場合に危険なのは「欲しい!」の欲求が強い場合だ。状況を良い方に解釈しがちになる。まずは疑ってかかるべきだろう。鈴木氏の気持ちも考えて、以下ような提案をしておいた。

8位が取引対象になることは常識的に考えてありえませんよね。 「値段つり上げ身内工作」の可能性が強い上に、 価格的に考えても、かなりニオイますね。 今回のケースは「手渡し限定」あるいは「ぶつ先渡し」を 主張して下さい。 それを認めない相手であれば取引しない方が安全ですよ。

25日朝になり鈴木氏から届いたメールには結論が書かれていた。

「ご教授ありがとういございます。
 昨日の時点で、こんな話は「ありえない」とも思いつつも、
 このメールアドレスをどうやって知ったのかと疑問に持ったのです。
 その時は、いくつかの点が判らずメールしました。
 このときは、またヤフーの個人情報漏洩?と思っていましたが、 疑問点は本日解決しましたが・・・   http://rd.yahoo.co.jp/auction/notice/?http://auctions.yahoo.co.jp/phtml/auc/jp/notice/20040604.html
 なんということでしょう!! 某詐欺氏は、入札者のidに@yahoo.co.jpを付け送っていた模様です。
 私のアドレスは@ybb.ne.jpなのですが、
 自宅PCで@yahoo.co.jp でも受け取れてしまうのですね。(設定ybb.ne.jpのみ)
 昨日は半分本気で今日メールがきたら、住所・携帯・自宅TELを聞き出し、
 身元確認後当然、手渡しを要求するつもりでしたが・・・
 尚、今のところ心待ちにしているメールはまだきません。
 騙すつもりならもう少しまじめに仕事しろよナッ!と思いながらこの後の展開が楽しみです。(ないかも?)(笑)」


なるほどね!そのような手口だと、出品者とは違う人物がメールをよこした可能性もあるってことか?取りあえず、相手のメールアドレスを「こいつは詐偽ヤロウだ!」とヤフーに連絡しておいた方が、今後の為に良いのではないだろうか?害虫駆除はこまめにね!

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その2

オークションを眺めていたら、気になるブツがこのところ数週間に渡り出品されているのに気付いた。出品者はギターショップのようだ商品はアコースティックギターなのだが「BugsGear」と書いてあった。 聞いたことがないメーカーである。詳細を読んで行くと、使われている材料は真っ当なものばかり。様々なタイプが出品されていたのだが、ほとんどがオール単版仕様なのだ。例えばこのD-45風ギターは・・・



仕様
1. Top : Solid Spruce 2. Side &Back : Solid Rosewood 3. Tuner : Grover Gold
4. Head, Neck : Mahogany 5. Finger Board: Ebony 6. Nut : Bone 7. Saddle: Urite
8. Bracing : Scalloped X Bracing

さらに、インレイやパーフリングもすべて本物のアバロンだと書いてあった。つまり、D-45に匹敵する材料ばかりなのだ。そして、落札希望価格は8万〜12万円程度だった。これは・・・安すぎる・・・ううむ気になる!調べてみよう!

だが、オークション出品に書かれた文章にちょっと気になることも書かれていた。

「ピックガードは1500円でつけてあげます」

日本語としてどうなのだろうか?これが商売人の書いた文章だとすれば、何となく不安にさせる。この出品者は何者なのだ?その時、出品物の最後にWEBのアドレスが表記されているのを見つけた。早速覗いてみた。ううむ・・・ギターの仕様としてはなかなか面白い感じがする。インレイのデコレーションがちょっとくどい感じもするが、まあそのようなデザインが好きなマニアもいるだろう。ギターの製造は韓国だ。ギター職人が少数ずつを手作りしていると言う。

で、WEBの全ページを丹念に読んでみたところ・・・文体が何かおかしいのだ。丁寧で書いてあることは理解できるのだが、日本語として的確ではない表現が相次いでいた。文法的にもおかしい部分が多い。さらに決定的だったのは日本人なら間違えない文字が間違っていたのだった。「変賞」と書いてあるのだが、前後の文章からすれば明らかに「弁償」の誤記である。日本語に「変賞」という言葉はないだろう?少なくとも私は今まで使ったことがない。

そこで推察した。このWEBを作った人物はかなり日本語が使えるのだが、母国語が日本語ではないはずだ。このWEBに表記されている会社代表の名前を確認すると、やはり韓国系の名前であった。そうか・・・自力でWEBを作ったのだろうな。だが、ネイティブ日本人のチェックを受けていないようだ。せっかく面白そうなギターを輸入販売しようとしているのに、このWEBを観た客はかえって「怪んじゃない?」と退いてしまいそうな雰囲気がある。

さらにもう一つ、会社の住所記載がしてあったのだ。この会社の所在地はなんと当家から車で10分の距離だった。だが、この住所が微妙に調整されて「現実には存在しない住所」になっていたのだ。電話番号も記載されていない。これでは、ますます怪しさが増幅するではないか!

ここで、私のおせっかい心が沸き上がって来た。たぶんこの会社はまだ創設されて間もないはずだ。誰もこのWEBが持っている問題点を指摘したことがないのでは?と思いきってメールを送ってみる事にした。「住所が何故いい加減なのか?正しい住所表記にしないとユーザーに不安がられる。文章も日本語として怪しすぎて警戒心を抱かせるので、なるべく早く正しい日本語にした方が良い。例えばこの部分・・・」とかなり具体的な内容にした。

2時間後、早くもメールが返って来た。相手は韓国人の経営者だった。まだ日本語が完璧ではないので、このような事態に陥っていると素直に認めていた。そうか・・・やはりそうだったのか・・・。で、ギター好きからのメールでの指摘が嬉しいと書かれていた。WEBをすぐに手直しをすると書かれていたが・・・。果たしてどのように手直しするのだろうか?ある程度ギターの知識があり、WEBが作れる人物を見つけて依頼するのだろうか?とその時・・・さらに私の「おせっかい魂」が噴出したのである!

これも何かの縁だ!「正しい日本語化作戦」に私自身が名乗りをあげるのはどうだろうか?私は参加条件にあてはまるはずだ!その会社に遊びに行ければ、オークションで気になっていた全てのギターを実際に眼にし、手に取り試奏出来るのではないか?ふっふっふ・・・これはやってみる価値がある話だ。だが、相手は見知らぬ日本人の一方的な申し入れに応ずるだろうか?取りあえず「日本語化を手伝いましょうか?」とメールを送ってみた。

すると・・・なんということでしょう!「WEBの文章を直すことを助けていただきたいので、今週の土曜日にお会いできないでしょうか?」との返信があったのだ。望むところである!かくして、今週土曜日午後に見知らぬ韓国人と、お調子者の日本人が神奈川県川崎市の某所で出会うことになったのだ。これまたネタの宝庫に育ちそうな気配を感じる。 続報を待たれよ〜〜〜!!!

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その3

親会社で作っていた「WEB ショートムービー」が完成したので観て欲しいと連絡があった。

以前から「チャー」がメインで出ていると、噂だけは聞いていたのだが、実態はまだ知らなかった。そのストーリーはギターがテーマで、しかもヤフー・オークションがモチーフになっているのだという。で、たまたま私の所へ遊びに来た監督と話をしてみると、意外な事実も知ることになった。このムービーの撮影でチャーが使用していたU.S.A.製のカスタムギターは、これから本当に「ヤフー・オークション」に出品されるのだと言う。

これは日産とヤフーが組んだ企画だ。

このムービーは、A面+B面で1本のストーリーを表現している。オークションにギターを出品する人物と、落札した人物の両方の視点で描かれているのだ。チャーは「落札者」の設定だ。以下にURLを掲載するのでギター好きでオークション好きの方々は是非御覧になっていただきたい! ブロードバンドでないとちょっと辛いようだが・・・。

http://www.nissan.co.jp/TIIDA/DUALFEEL/

http://dualfeel.yahoo.co.jp



本日の結論
同じ日に3つも同じ「ギター&ヤフー」ネタが重なるとは・・・不思議だなあ〜!

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