時計的解釈答
2004年06月17日 時計の謎が大きかったようだが・・・!
 



「非常識な人」

6月14日出題のパスワードに関して、すでに「I'm in !」と叫ばれた方々の中にも「実は時計の画像の意味が解らなかったんだよね!」の方が多く存在すると感じるのだ。どうも画像の解釈に勘違いや理解不足があるようなので、あえて今回は解説を行うことにした。

出題の画像は以下の3点である。これらに共通する漢字1字を見つけだすのがテーマである。


まず問題の「時計」について。
この写真は「Rolex」だが、メーカー名は関係ない。この画像を選んだのにはそれなりの理由があるのだ。この角度で撮影すると、腕時計右側にある「リューズ」が明確に見える。「リューズ」は手巻き時計であれば、ネジを巻くことと時刻合わせにに使われるパーツだ。電池式の場合は時刻合わせに使われる。で・・・「リューズ」は漢字では「龍頭」または「竜頭」と表示する。

真ん中のおっさんとギターが映っている画像は、ギター好きならすぐに分かっただろう。このおっさんはアメリカのギターメーカー「P.R.S. 」社長のPaul Reed Smith 氏である。そして目の前にあるギターは「Dragon」と名付けられたシリーズの名器なのである。よく見るとギターの表面にDragonが火を吹いているインレイが施されているのが見える。ギターマニア垂涎のブツなのだ。で「Dragon=竜」

最後に映画のポスターである。
「緋牡丹博徒 花札勝負」の主人公を演じていたのは現在の「寺島純子」さんだ。その主人公の通称が「緋牡丹のお竜」である。背中に竜の彫り物をしていたのでその名がついたと記憶している。

このような検証の結果、共通する漢字「竜」または「龍」= dragon のパスワードが得られる。

さて、正解者の中には「真ん中のギターはドラゴンだし・・・右の映画はヤクザっぽいから龍の入れ墨をしてそうだし・・・」とおぼろげな手がかりで正解に辿り着かれた方もいらっしゃると想像している私だ。それはそれで良いのだ!

さて・・・今回、この解答編を書く気にさせたもう一つの理由として「時計」の存在がある。「リューズ」=「竜頭」が見つけられなかった方が多く存在したと想像するのだが、それは何故だろうか?私が初めて自分の時計を手に入れた1965年は「手巻き」が当たり前だった。さらに時計は日々少しずつズレが生じるため、その補正のため「リューズ」は毎日触る必然がある部品だった。それがクオーツの時代になり一年間に1秒も狂わなくなり、正確さと共に「リューズ」に手を触れる機会も激減したと云うことだろう。で「竜頭」というパーツ名も忘れ去られてしまったと・・・。

そして、世の中はさらに変化してしまった!私は8年前から腕時計をしなくなった。切っ掛けは腕時計の電池が切れたことにある。ちょっと高級な時計だったので、そこいらの店では電池交換が出来なかったのだ。そのため電池交換をズルズルと引き延ばしているうちに、私は管理職となり、気付くと机の上の電話にもコンピュータにも常に時刻が表示されていた。さらに腕時計をしていない方がキーボードを打つ際に邪魔にならない。どこに行っても眼の届く範囲になにかしらの「時計」が存在するようになった。

やがて携帯電話を持つ日々がやってきた。携帯電話は完璧に時計と入れ替わってしまった。これで私にとっての「腕時計」の必然性がまったく消えてしまった。ファッション性を忘れてしまえば腕時計は私の中で「酒」と同じジャンルに含まれるブツになってしまったのだ。

腕時計をしなくなると、もう一つメリットがあることに気付いた。それは長袖シャツの寿命だ。金属製バンドの腕時計をしていると、左の袖口が時計と擦れてすぐにボロボロになってしまうのだ。どんなにお気に入りのシャツでも、袖口がヨレて擦り切れ始めるともう着る気になれないものだ。それが腕時計をしなくなってからは、当然ながら袖口が擦り切れなくなった。お気に入りのシャツも永く着られるようになったってワケだ。

いまから15年程前に仕事先で腕時計をしない担当者がいた。その時はなんとなく「非常識な人」的イメージを持った。だが、今では私がその方と同じことをしている。他人から見ると私も「非常識な人」に見えているのだろうか?



本日の結論
腕時計産業に従事する皆様!申し訳ない!

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