読了的公安零
2004年03月25日 一気に読み進んでみた!
 



「主要登場人物一覧である」

いや〜〜参ったまいった!突然3月23日夕方から鼻づまりになり、鼻水が出始めたと思ったら夜になってのどが痛くなり、急激に咳も出始め涙目になって来た。ということは典型的な「風邪の諸症状」である。ある程度栄養を摂取しつつ温かくして寝ているしか復活の手段は無い。

諸症状に比較して発熱は余り無い。ということは、体はだるいが頭はかなりハッキリしている状況なのだ。ふとんに潜り込みジッとしているのは辛い精神状態だ。かといって一日中テレビをぼんやり見ているのも飽きた・・・。そこで、早く読み終えたいと思っていた小説をベッドに持ち込み読破する事にした。

今回御紹介するのは麻生 幾著「ZERO」幻冬舎刊である。この作家の本は今までにも御紹介した記憶がある「戦線布告」「失われたファイル」など、かなり興味深い本ばかりだ。麻生 幾著「ZERO」は2001年に刊行されている。厚い本だ。上下巻に別 れているが、それぞれ2段組で399ページと490ページである。合計889ページの大作だ。

実はこの本が発売されてすぐに読もうと思っていたのだが、読みそびれている内にすっかり忘れてしまっていた。そして昨年夏になり、BOOK OFFで上巻だけを見つけたのだった。おいおい!セットじゃねえのかよ〜!と思いつつ上巻だけを買っておいた。そのうち下巻を買ってから一気に読もうと思っていたのだが・・・。

その後、BOOK OFFに行く度に探していたのだが、なかなか下巻が見つからなかった。上巻だけは幾らでも転がっていたのだが・・・そして先週の事、部下の本好きに麻生 幾著「ZERO」について読んだ事があるかどうか聞いてみた。すると「うちにありますよ!」との返事だった。おおお〜〜〜!!!それなら下巻だけ貸してもらえないかと頼んだところ快諾。やがて下巻を手渡されたとき、私は大きな勘違いをしていた事に気付いたのであった!

私が上巻を手に入れた時、記憶したのは「ZEROは赤い表紙の本」である。その結果 、無意識のうちに下巻として「赤い背表紙」をBOOK OFFで探していたのである。ところが受け取った下巻は「緑の表紙」だったのだ!これじゃあ、目にとまらなかったはずだ!そんな事もあり、ようやく手元に上下が揃ったので一気読みした。陰謀、裏切り、疑惑、国家、公安、くんずほぐれつの裏表の展開で面 白い本だ!

それではいつものように腰巻きの惹句を御紹介しよう。

常に厚いベールに包まれる全国警察の頂点に君臨する組織<ZERO>
その存在は国家機密であり、名称を警察内部で口にする事さえ許されない・・・。

これが公安警察、驚愕の真実だ!

問題作「宣戦布告」から二年半。
徹底取材が切り拓いた警察の聖域と禁忌。
そのすべてを描き尽くす衝撃作!

幻冬舎創立七周年記念特別作品

初めて明かされる
公安警察の
恐るべき実体!


誰にも語られることのなかった諜報機関としての公安警察の実像に
ここまで迫れるものなのか。丹念かつ緻密な取材から紡ぎ出された意外な真実、
手に汗にぎるエピソードの連続に、時を忘れて読みふけった。
本書によって警察小説のイメージはことごとく塗り替えられた。
猪瀬直樹(作家)

主人公は警視庁公安部外事二課で中国を監視してきた”ウラ”の捜査官・峰岸智之。上巻の300ページあたりまでは、私はいまいち感覚的にこの小説の「スピード感」が掴めなかった。そのため読書スピードがあまり上がらなかったが・・・下巻に突入した途端、一気にターボ全開である。全く予想していなかった展開に突入するのだ!

この小説を御紹介するのは非常に難しい。「ZERO」がテーマの本だが、実はアンチZEROがテーマなのだ。国家間の諜報戦とウラで戦う人々とそのさぐり合い、騙しあい、そして、軍隊との戦い。主人公は度重なる危機から脱出しまくり、逃亡は果 てしなく繰り広げられる。 いささか大風呂敷を広げ過ぎた展開ではあるが・・・下巻後半に登場する人々の活躍や動きには感動するものがある。で・・・この本で一つ手強いのは・・・。以下の画像を御覧頂きたい。


主要登場人物一覧である。ここにいるだけでも68名なのだ。おいおい!「主要」じゃねえのかよ〜!と突っ込みたくなる数だなあ!これが主要と言う事はそれ以外の登場人物も当然いる。しかも主要と書いて良いはずの人物もここに入っていない事実がある。そりゃもう瞬間的な記憶能力が薄れて来た私には名前を記憶するだけでも大変なのである!忘れっちまわないように一気読みをお勧めするぞ!



本日の結論
私は楽しんだ!「軍事蘊蓄及び中国関係、公安蘊蓄好き」向けの本である!
北京に土地カンがあるともっと楽しめそうだ!

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