六弦的赤色考

2001年10月22日 今回はアタリだろうか?


P.R.S. Custom24 10Top Flame と表示してあったが・・・

「受け取って3日間の余裕があるのだ!」

ジャズギタリストのH氏は言う「やっぱ、ギターの色はブルーっすよね!これしかないっすよ!」これは彼の主観である。彼のポリシーである。やはり彼の所有するギターの中でのブルー占有率は確かに高い。私は彼が確実に3本のブルーギターを所有していることを知っている。そう言われてみると、私もブルーが良さそうな気もするのだが、お立ち会いの諸君!本当にそうなのだろうか?

私が持っているギターのなかで現在、明確に「このギターはブルーである!」と断言できるモノは少ない。その数2本である。 それに比べ、赤系統のカラーリングを施されたギターは4本存在している。ブラウンを赤の暗いやつだと判断すれば、数は5本に増える。また、ナチュラルカラーつまり木目のまんまの仕上げのモノも5本所有している。こうやってあらためて数えてみると、当家ではブルーは明らかに劣勢なのである!

1952年、GIBSONがレスポールを発表したときにはゴールドを採用していた。これまた派手な選択であった。その後、名器と言われるようになった1959年のレスポールのメインは「赤系」のカラーリングであった。今でも私の持つGIBSONレスポールのイメージはやはりレッドサンバーストつまり赤系である。ブルーのレスポールなんぞ気持ち悪いったらありゃしない。GIBSONレスポールは暖色系のカラーリリングが似合うギターなのだろうな。

さて、そこでだ。何故ジャズギタリストのH氏は「ブルー」と言うのだろうか?その理由の一つに「P.R.S.」の存在がある。このギターはかなりの色のバリエーションを揃え販売しているが、私には何となく「ブルーが似合うギター」のイメージがあるのだ。H氏は「P.R.S.」のギターをこよなく愛している。そのために生じた色に対する嗜好性かもしれないな。勿論H氏がブルーの「P.R.S.」を所有しているのは言うまでもない。そうなると「P.R.S.」のギターで他の色はどうだろうか?H氏は例えば赤いギターは評価しないのだろうか?私は今までに3本の「P.R.S.」を所有したことがある。赤系、青系、ナチュラル系の3色であった。現在は赤系しか手元に残っていないが・・・。

このところ、WEBのオークションや楽器店のページをなんとなく眺めていても「物欲」が湧かず、ただ漫然と眺める日々であった。六弦倉庫の一時期の賑わいもすっかり落ち着きを取り戻し、このところ動きを見せていなかった。5月以来、購入の動きはパタリと止まっていた。財力の問題もあるのだが、なんと言っても精神状態が一番問題になる。ふとしたきっかけでスイッチが入ればまた活動が再開するのは目に見えていた。

KAWAI MOON SAULTのレストア終了でそのスイッチに半分手が掛かった状態になったと感じていた10月20日午後であった。そして、その夜ついにスイッチはONになったのである!いったんスイッチが入れば後はご想像にお任せするしかないが、そりゃもう、胃液吐くほどの見事な物欲おっさんとなってしまう私である!(なんだよそりゃ〜?)

10月20日深夜。ヤフーオークションで1本のギターを見つけた。「フジゲン」のカスタムギターである。ネックには豪華なインレイがびっちり入れられている。「フジゲン」は一般の方にはあまり有名ではないが、かなりの技術力を持った会社である。某有名ーカーのギターは実は「フジゲン」が作っていると聞いたことがある。このギターの出品者は私の知っている方だった。Zemaitis収集家としても有名なアノ方だった。となれば管理に問題はない。ギターのコンディションはほぼ新品状態。コレクターズアイテムである。しかも思っていたより安いかった。こりゃ面白そうなそうな、美味しそうな物件である!それでは久々参加してみるかとしばし様子を眺めつつ、入札してみた。



終了間際になり次々に入札額は上昇を続けた。そして、徐々に私の「六弦欲求魂」に火がつき始めたのだった。オークション終了時刻になっても次々にアップしていくので、なかなか終わらない。私も3度入札したのだが、ある時点で追撃を止めた。ふと我に返ったのである。このまま行くと思ったより高値になりそうだ。そうまでして欲しいギターだったのか?自問自答してみる。答えは簡単だった「そういやあ他に欲しいギターがあったぞ!」てなことで急遽その入札からあっさり手を引いたのであった。見事な抑制の利いた引き際である!

だが〜〜〜!!!その直後、入札の余韻がまだ抜けぬ頃、別物のギターが出品されているのを発見した。「P.R.S. Custom24 10Top」であった。だが、H氏が否定しがちな赤系統のカラーリングである。私も無意識のうちに「赤いP.R.S.」は今まで避けていた気がするが、今回は違った。先ほど「六弦欲求魂」に火をつけたばかりである。一度火照った身体はなかなか収まらないのだ。

出品者は九州は福岡のショップであった。ユーズドなのでそれなりに傷があると書いてある。そんなモノはメンテナンスすればよいだけだ。傷なんぞは真面目に弾けばすぐについてしまうし。問題はないだろう。さらに受け取った後、3日間は気に入らなければ返品OKだという。ほほう!殊勝な心がけだ!この「P.R.S. Custom24 10Top Flame」は定価ベースで49万円である。中古とは言え、それなりの価格である。真っ当なモノで無ければ当方でも受け取る気はない。

さらに驚くべき記述があった。オークションではあるが、表示されている価格で店頭でも販売しているので、一発落札だというのだ。電話番号も明記してあり、直接電話でブツの確認をし発注することもできると書いてあった。ほほう!そうかそうか!それでは夜が明けたら確認の電話を入れてみるか〜!

21日朝になった。夜中に書いたラブレターは翌日読み返すと、もう投函できないという。その気持ちの持ちようが深夜と言う時間帯によって激しく揺さぶられ昂揚するからだろうな。朝の冷静な頭ではとても恥ずかしく感じられるのだろう。それと同じ感覚がオークションにもある。昨夜はあれほど入れ込んでいたのに、昼間はそれほど入札合戦に参加したいとは思わないのだ。てなことですっかりそのまま「P.R.S. Custom24 10Top Flame」失念していた。

夕方になり「そういえばあのP.R.S. はどうなった?」と思い出し、オークションを見るとまだそこに残っていた。それではと、ショップに電話をかけてみた。すると、まだ売れずに店頭にあるという。おおお!!!そうかそうか〜〜〜!!!まだそこに滞在していたか〜!それを聞いた途端「それじゃあ買いますので手続きして下さい!」とに口走ってしまった私だった。いいのか?いいのか?そんなに簡単に買ってしまって良いのか?いい〜んです!受け取って3日間の余裕があるのだ!その間に気が変わればその時は・・・22日水曜日までには届くだろう。

このギターに関して実は一つの懸念がある。それが何であるかはここではまだ書かないでおこう。この画像からは確認できないことがあるのだ。受け取ってまずそれを確認することにしよう!独断倉庫ネタにはトラブルがツキモノである・・・。さ〜て!今回はアタリだろうか?はたして積むや積まざるや!六弦好きの方々は、気になる続報を待たれよ〜〜〜!!!


しかし、この写真の撮り方はなんとかならんのか?ボディーに景色が映り込みすぎだってば!


本日の結論
ジャズギタリストのH氏はこの「P.R.S. Custom24 10Top Flame」の赤色を否定するだろうか?

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