六弦的弦留換

2001年03月19日 思わぬ盲点があったASKAであった!



「プロは5000円らしいが」

今月頭に入手したギター「YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL」についての続報である。

YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL は程度極上の状態で手元に届けられた。ほとんど使用した形跡が無いピッカピカ状態で届けられたのだった。検品の為、音を出しでも何の問題も無かった。スバラシイ!見ただけでも合格であ〜る!早速、出品者に「検品終了」の連絡を取り、オークションのすべての手続きは終了した・・・。かに見えていた。

その週末、やっと時間がとれたので、フレットを磨き、弦を交換することにした。いくらほぼ未使用状態とは言え、それなりの時間は経過している。フレットにはうっすら錆が浮いていた。もちろん弦にも浮いていた。これらはすぐに是正できる部分なので、なんの問題もない。いつものようにそのメンテナンス作業に入った。

で、弦を全部取り外し、フレットを磨きに掛かった。極細コンパウンドで、一つづつ丁寧に磨いて行く。ふふふふ・・・フレットは見違える様な輝きを取り戻し、指触りも滑らかになっていく。これぞ、メンテナンスのたまものであある!こうやってギターは弾き易く蘇って行くのだ〜〜〜!!! これぞギター本来の姿である!

フレット磨きが終われば、新しい弦を張る。いつものダダリオ0.09〜0.42のセットである。が・・・その時!驚愕の事実を発見したのである!うおおお〜〜〜!!!それは「ナット」で発見された。ここでいう「ナット」は「納豆」や「ボルト・ナット」のそれでは無い。ギターには弦がヘッドから指板に入る部分で、きっちり所定の位置に弦を留める為、溝を切ったパーツが存在する。これを楽器業界では「ナット」と呼んでいる。



このナットが割れていたのである。6弦側の端が欠けていて、6弦がかろうじて引っ掛かる程度しかその部分が存在しないのだ。現時点ではまだ6弦が落ちていないので、なんとか音は出せるが、いずれ欠けてしまい、音が出せなくなるのは見えていた。

ううむ・・・これは困った!早急にナット交換をせねばなるまい。だが、ここに一つの問題がある。ナットは通常そのギターの特性や仕様及び使用弦の太さによって、精密に溝を切る必要がある。かつて、その作業を行った経験はあるのだが、これがまた非常に弦密な作業なのだ。美しいギターには是非プロの手で施して欲しい作業である!

プロが行えば当然工賃がかかる。それはいくらなのか?そこで、早速調査に入った。YAMAHAの渋谷店ギター売り場に電話してみる。担当の「ハナマツ」様は言った。「VG-CUSTOMのナットは、取り寄せになりますが、在庫はあります。溝は切ってありますので、御自分で交換されるのでしたら、ナット代380円だけで済みますよ!3〜4日で届きますよ!」おおお!なんと!380円とな!自力交換とな! プロに交換を頼むと5000円程度らしいが。

溝さえ切ってあればこっちのもの!もともと、ナットは交換しやすいように出来ている。弦交換の度に溝がすり減ってしまうので、消耗部品なのだ。一般人が取り替えるいことはまず無いが、弦交換の頻繁なプロギタリストはナットがすり減ると取り替えるのだ。ナットは数箇所に薄く木工用ボンドをつけて留められているはずだ。横方向から軽い打撃を与えればすぐに剥離できるようだ。

かくして、3月19日夕刻、取り寄せたナットを引き取りにYAMAHA渋谷店へと出向くのであった〜〜〜!現金378円を払い引き取った。ちなみに担当の「ハナマツ様」は「花俟様」であった。こんな漢字の名札をつけていては誰も「ハナマツ」とは読めないな!でも大丈夫。名札にはちゃんとフリガナがつけてあったぞ!

とっとと自宅に帰って夕食が終われば作業開始!テレビでは「HERO」最終回が始まったところだ。まず、ギターの弦を全部緩めて、割れたナットを外す。横方向からドライバーをナットにあてて軽くトンカチで叩いてみた。ピキッ!と音がして一部分が割れて飛んだ。意外にもろい材質のようだ。再度コンコンと強めに叩くとポロリとナットが外れた。ネック側の部分を見ると何も損傷が無い。良かった良かった!

外したナットの裏を見ると、小さな3つの点が在った。これが接着剤を置いた部分だな?これを真似して、新ナットの裏に木工用ボンドを点々とつけ、所定の位置に置いてみた。ううむ・・・ピッタリである! 何の問題も無い!キッチリ位置を合わせ弦を溝に入れて行った。チューニングを施す。問題は無い。弦のテンションでナットはネックに押し付けられるので、接着効果は抜群である。後はしばらく放置しておけばそれで良い。ふふふふ・・・・わははは!!!!これで、ナット交換料金5000円は節約できたではないか〜〜〜!!!

だが・・・ここまで作業が終わってふと気付くのである。このナット交換作業は、もともと欠けたナットのままでギターを納品したオークション出品者の責任の元で行われるべき処理である。じつは、ナット欠けが在ると出品者に連絡をとった際に「ナット交換にかかる費用はすべて持ちます!」と御連絡いただいていたのだ。つまり、プロに頼んで交換してもらっても、当方の懐に影響はいっさい無かったはずなのだ。

だが、心優しき私は、出品者の心中を察するあまり自力交換に挑戦したってワケさ!おかげで、正しいナット交換を覚える事が出来たので、私はそれなりに満足しているがね!てなことで、出品者よ!378円が実費だったぞ〜〜〜!!!しか〜〜〜し!間違っても現金書留で378円を送ってくるなよ〜〜〜!!!送料が勿体無いからな〜〜〜!!!



無事に交換されたナットがコレである!



本日の結論
自虐的メンテナンス道を本日も突き進む私であった!

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