六弦的飛鳥機

2001年03月06日 自分への投資とは何だろうか?



YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL

「試合時間はたったの90分じゃないか!」

歴史をひもといてみよう。日本において「飛鳥時代」はどんな時代だったのか?そこの方々よ!真剣に考えてはいけない。私の書くことだ。マットウであるはずがないのだ!ふっふっふ、私がこれから書こうとしているのは「チャゲ&飛鳥」時代なのである!

私は「チャゲ&飛鳥」に関してはあまり良く知らない。その音楽性はテレビの番組で見る程度の知識である。「髪が薄いからハゲがなまってチャゲ」となった程度は知っているがな。さて彼等の歌の中で唯一知っているのは「ヤーヤーヤー」だけである。それは何故か?間違えて買ってしまったカラオケLDの中に入っていた曲だからだ(笑)

私に存在していたのは「ビートルズ時代」「六文銭時代」「吉田拓朗時代」や「サンタナ時代」はたまた「イーグルス時代」までである。それ以降の音楽的歴史はあまり感心が無い。一時期「カラオケ時代」に突入しかけたが、それは危うく留まり大事には至らなかった(大事ってなんだよ〜?)

そのように「チャゲ&飛鳥」に対してまったく思い入れが全く無い私が、どう言うわけか1本のギターに魅入られてしまった。YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL である。「飛鳥モデル」というそのギターには一度も触ったことも無ければ、ましてや実物を見たことも無い私だった。

飛鳥 涼 の為に開発されたギターである。地味な色、地味なたたずまいである。このモデルには、CUSTOM と STANDARD が存在する。CUSTOMは限定生産だったため、もう新品は販売していない。CUSTOMは当時定価300,000円だった。これは国産ギターとしては、かなり思いきった高額設定である。STANDARDは今も販売され続けている。STANDARDは定価88,000円である。STANDARDには全く興味が無い私だ。


こいつは安物! YAMAHA VG-STANDARD ASKA MODEL

そこで気になるのは「CUSTOM」なる言葉。高い商品にはよくつけられている単語だ。「お得意さま」と訳せばよいのだろうか?はたまた「御贔屓」とでも訳そうか?この場合には「特製」したほうが理解しやすいな。でもそれだと「スペシャル」になるなあ。「特別仕様」とした方が的確か〜?「CUSTOM」と言っても色んなレベルがあるので一概には言えないが、この場合は少数限定生産の特別仕様ギターと理解しておこうか。

先週のことだった。私はWEBオークションでその「YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL」を発見した。おおお〜!久々に出て来たな〜!以前から手に入れてみたかったギターなので、観察モードに入る。だが・・・だが・・・来る日も来る日もだ〜れも入札しないのである。そんなに人気が無いのか〜?ふ〜ん。とさらに観察を続けた。締めきり2日前になり「この金額だったら買ってもいいか〜!」と取りあえず入札してみた。だがその後、だれも追い掛けて来なかった 。

締めきり1日前になり、私の入札価格はまだ、出品者の落札最低価格に達していなかった。このままでは入手できない。かといって、これ以上は出費する気も無い。そこで、問い合わせしてみた。「最低落札価格はいくら?」するとあっさり返事が来た。それは私が入札した価格より5,000円しか高くなかったのだ。おおっ?しかも「送料は持ちます!」と書いてある。送料を引けば、3,500円の予算オーバーである。しかし!許容範囲の予算オーバーである!これは落札しないわけには行かないぞ〜〜〜!!!

そして3月4日10時過ぎ、オークション締め切りがやって来た。なんのことはない!結局、私一人しか入札しなかったのである。出品者の設定していた最低落札価格で、あっさり私が落札してしまったのである。ラッキーではあるが、ちと物足りない。贅沢な不満と言うヤツか?

目の前には「YAMAHA VG-CUSTOM ASKA MODEL」がピッカピカの姿で横たわっている。ボディーはバイオリンの形をしている。その内部は半空洞である。通常「セミホロー」と呼ばれている構造だ。ソリッドボディーと違って柔らかな響きを奏でるのである。さらにこのギターにはピックアップが2種類装着されている。外観としてあるのは「ハンバッキング」が2個だが、ブリッジの下の見えない部分に「ピエゾ」が仕込んであるのだ。


ボディーの杢目もかなり美しい逸品である!



「ハンバッキング」ピックアップは、金属弦の振動を磁石とコイルで拾い電気信号に変換するものである。鉄を含んだ金属の弦でないと音を発生させられない。「ピエゾ」ピックアップは、ブリッジに伝わる弦振動そのものを拾って電気信号に変換する。こちらは弦の素材は何でも大丈夫だ。この2種類のピックアップが両方とも搭載されたギターなのだ。

「ハンバッキング」と「ピエゾ」はその方式の違いにより、おのずと発生させる音の感じも全く違うのだ。それをスイッチの切り替えで両方出そうと言う贅沢なギターなのである! しかも、モノラル、ステレオの両方で出力できる構造になっていたのを実物で初めて知った。

このギターのフレットは減りがほとんど見られない。ほとんど使用されていなかったのだろう、フレットには少しサビが浮いていた。現状のままではちょっと弾きづらい。弦を交換するついでに、フレットと指板をポリッシュする事にしよう。

では、音を出してみようか。 トーンを10にするとシャリシャリした感が強い。ぐっと絞るとマイルドなセミホローに相応しい音になった。これは良い!それではちょっとディストーションを掛けてみよう。ふふふ!!!わははは!!!気持ち良いぞ!クドク無く気持ち良い歪み方である。クセのない素直な感じがするぞ!

それでは、ピエゾピックアップのチェックだ。ふふふふ・・・ピエゾのあの「シャリシャリパキパキ」した音が飛び出して来たぞ!来たぞ〜〜〜!!! アコースティックギターのピエゾともまた違う高域成分の多い感じがする。こいつも気持ちが良い。しばらく使って無かったギターのようなので、ボリュームやトーンを回すと少しガリが出た。しばらくぐりぐり回して馴染ませたらガリは消えてくれた。これで問題は無い。

だが、私はそんな音の違いや音のバリエーションの豊かさをを目指して、このギターを入手したわけではない!入手したところでほとんど弾かないのは分かっているのだ。では何故入手したのか?私はそのボディーシェイプと杢目そしてセミホロー構造をじっくりと鑑賞したかっただけだ。贅沢と言われるか?そこの登録会員よ!では、こう考えたらどうだ?

昨年「ウタダヒカル」のコンサートが体調不良によりキャンセルとなった。その時チケットを手に入れた人々の中に「ダフ屋」から法外な値段で買った人々がいた。この金はもう戻って来ない。正式購入者の払い戻しはせいぜい3〜5千円だろう。だが彼等の中には6万円払った人もいたと聞く。それだって、たかが2時間を楽しむための出費であったはずだ。

ボクシングの試合はどうだ?下手すりゃ1ラウンドで1分以内のノックアウトがあり得るのだ。それでも、リングサイドのプラチナチケットを大枚払って入手するでは無いか。そうそう!サッカーのワールドカップのチケットなんぞもとんでもない値段に跳ね上がるぞ!試合時間はたったの90分じゃないか!そのために20万円以上も出費するヤツらがいるのだ〜〜〜!!!ハアハアハア・・・。

そんな世の中だから、じっくり何時間でも眺めていられるものに投資したっていいじゃないか〜!


本日の結論
私はいったい何を誰に対し「正当化」しようとしているのだろうか?
自分でも良く分からないぞ〜〜〜!!!

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