六弦的釣解釈

2000年12月02日 果たして今回の評価はどうなる!


P.R.S. Swamp Ash Special

「不戦勝のように」

ある日突然、藤原紀香が私に向って「愛人にして!」とか、水野真紀から突然「結婚して下さい!」と言われた場合、私にとってそれは嬉しい出来事なのだろうか? 答えを知りたい方は下記を読まれると分かるはずだ。いつものようにギターに興味が無い方は読まない方が身の為だと思うぞ!

昨日の啓示倉庫の書き込みで、登録会員00068 角田様は、私のギター収集について、こう分析されていた。「釣りにおけるキャッチアンドリーリースと同じである!」と。実に見事な例えである!ギターを入手し調整を施した後に再び、希望される方にそのギターが譲渡されて行くのである。この行為は「メンテナンス」という「スポーツ」である!と看破されてしまったのだ!

今まで、そのような意識はまったくしていなかったが、1年間以上やってみた結果としてそうなっている。ううむ・・・。正しい解釈である!スポーツ嫌いの私が、知らず知らずのうちに「スポーツ」していたとは・・・。この分析によって、本年夏頃より浮かび上がって来た私の指向性と嗜好性への一つの大いなる疑問が氷解してしまったのである!

その疑問とは何か?私には入手ギターに対する「愛着度」「好意度」あるいは「お気に入り度」と呼ぶ現象がある。だれしも持つ感情だろう。その感情が何故湧いて来るのか?今までなかなか理解できていなかったのである。私の手持ちのギターは本日時点で15本ある。その中で「こいつは手放してもいいかな・・・」と愛着度の低いものがある。逆に「こいつは絶対手放せないな!」と「お気に入り度」が高いものがある。何故、この違いが生まれるのか?その心理状態を自分自身でまったく理解していなかったのだ!

「こいつは手放してもいいかな・・・」と思うギターはおおむね「素晴らしい!」ギターである。入手した時からピッカピカで「新品同様美品」あるいは「メンテナンスバッチリ!でミント状態」で文句のつけようが無い。だが、そのようなギターに限って手元に届いた後、1週間も飾って眺めていると「ふ〜〜〜ん・・・」と感動も無くなり、興味を失うのである。これは値段の上下には関係ない現象なのだ。

こんなに高いギターなのに!何故?私は好きになれないのだ?そう思っているギターがある。稀少価値もあり、とても素晴らしいものであると認めている。だが・・・何故愛せないのだ?その疑問がやっと登録会員00068 角田様の御指摘により氷解したのである!「手を焼かせた子供ほどカワイイ!」そして「記憶に残る!」のである!立派に更正させて、再び社会に戻して行く「少年院的ギターメンテナンス」が私の趣味の根源だったのである!

他の例えで言うと、恋愛のそれにも似ている。微かな片思いが、やがて時を経て相思相愛に変わり大恋愛となる。このダイナミズムが恋愛のだいご味である!それゆえに、ある日突然藤原紀香が私に向って 「愛人にして!」とか、水野真紀から突然「結婚して下さい!」と言われてもそれは決して嬉しく無いはずだ!(そうか〜?)イカンイカン!嬉しいかも知れない・・・適切な例えでは無かった!こりゃ失敗!この例えは無かった事にしてもらおう!

それゆえに、私がまったくメンテナンスする必要の無い程のピッカピカ状態でギターが届けられると「おおお!!!これはスゴイ!美しい!見事である!」と評価を下し喜びつつも、実はその時点ですでに「対戦相手がいないスポーツ」状態になっているのだ。相撲で言う不戦勝のように記録上は「勝ち」だが「つまんねえ勝ち試合!」になってしまってしまうのだ。私が、決して楽器屋で新品ギターを購入しないのにも、そのあたりに理由があるのだろう!

私のコレクションを見つけた人々から「あのギターをずっと探していたんです!譲ってもらえませんか〜?」と言われれば「そうっすか〜!いいですよ〜!」とあっさり手放してしまうのには、例えが悪いが、ある意味で私にとって「出がらしのお茶的ギター」であるからだ。

美しいだけの人生はつまらない。悲しみも、喜びも分かちあってこその夫婦である。苦労して補い合うことで、人生は豊かになっていくのである!重い病に犯され、そこから復活できた時に初めて「健康は素晴らしい!ナニモノに代え難い!」と感じる事ができるのである!(おいおい!話がまたずれて来てるぞ〜〜〜!!!)

ここまでは前フリである。落語で言えば「マクラ」にあたる!本日の本題はこれからだ!(えっ?)

先週末にオークションで落札したギターが本日届く事になっている。それはメンテナンスばっちりの「新品同様」であるというフレコミであった。前フリを読まれた貴方にはもうお分かりであろう!私が本日受け取る予定の「P.R.S. Swamp Ash Special」に対して、受け取る前から「不戦勝」の予感で「愛着心が湧かない予測」を立ててしまったのである!

悲しい・・・悲しい・・・そんな予測をたてなければならない現実が間もなく私を襲う事になろうとは・・・現在朝の9時過ぎだ。「P.R.S. Swamp Ash Special」は午前中に配達される手配になっていると言う。3時間以内に結論が出る!ピッカピカは嬉しくもあり、悲しくもある。うおおお〜〜〜!!!私の本心はどっちなのだ〜〜〜???

12月02日10時35分 クロネコヤマト宅急便当地区担当 柳谷氏 が玄関先にあらわれた。片手にはギターケースがぶら下げられている。当家担当であると言う事は、私が受け取るだけで無く、送り出すギターも全て彼の手を経ているのである。玄関先にズラリとディスプレイされたギターを見て柳谷氏はこう言った「こうやってみるとギターってキレイなんですねえ〜!」当たり前である!綺麗にして見せびらかしているのだ〜〜〜!!!

すぐに「P.R.S. Swamp Ash Special」の検品を開始した。1998年8月17日アメリカで製造されたことがタグに明示してあった。おおお!まだまだ新しい商品ではないか!表面を丹念に見る。ほとんど気になる傷は無い。使っていれば当然発生すると思われるものすら少ない。小さな打ち身が数カ所だけ。かなりミント状態である。それでは、ネックを見よう。反りは無い。フレットも問題ない。指板も綺麗である。ネックにはトラメも太く浮き出しているし、ポジションマークも本物のアワビを使っていて高級感を感じさせる。出品者は丁寧な使用者であった事が見て取れる。

 

さて、次は音出しのチェック。
ピックアップは3つ装着されている。真ん中のピックアップが特にず太い音を発生させた。ロック向きのギターである!トーンコントロールはバイサウンドになっているので、ノブを引っ張るとTAPが効いて3つのピックアップともにシングルコイルサウンドに様変わりする。軽いサウンドでなかなか気持ちよい。シングルでもディストーションを掛けてみると図太い。これで音は合格だ!

音を出している際に、ピックアップ切り替え3点トルグスイッチにややノイズが発生した。10回程カチャカチャやったらかなり静かになってしまったので、問題は無い。これは今後頻繁に切り替える事でいずれ消えて無くなるだろう。

では、このギターにマイナスポイントは無いのか?じっくりチェックをしていて気付いたのだが、このギターは長期間ギターハンガーにぶら下げられていた形跡がある。ハンガーと接触していたヘッド付け根部分の塗装が少しやられていた。変色しているのである。中古品である事を考えれば、まあ、これくらいは目をつぶろうか。

おおお!そうだそうだ!トレモロアームをつけ忘れていた。引っぱり出し装着してみると・・・んんん・・・これは?ちょっとユルイのである! P.R.S.のトレモロにはネジが切ってない。樹脂製の穴にアームを突っ込むだけなのだが、この樹脂部分が少し広がっているように感じる。ギターをストラップでぶら下げると、アーム先端が真下にぶら下がってしまう状態になった。こまったなあ・・・この樹脂製パーツは別売しているのだろうか?まあ、何とか対策は考えるとしよう。

最後にブリッジのチェック。最初のセッティングのままだと弦高が私にはちょっと高すぎた。レンチを使って6弦共に丁寧にブリッジの駒の高さを下げた。これでぐっと弾きやすくなった。指も滑らかに動かせるようになった。これで検品終了だ!総合評価で迷わず合格とした! が・・・最初に書いた通り「不戦勝」となってしまった感がある。ううむ・・・もう少しメンテナンスを楽しみたかったなあ・・・(弾いて楽しめよ〜〜〜!!!)

本日の結論
ピッカピカはやはり嬉しい〜〜〜〜〜〜!!!

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