六弦的入切釦

1999年10月19日 これらがそれらである!!!



部品だけそろえてもなんにもならない。ハンダ付けが待っている!

「何かを買い忘れたような気がする・・・」

新たなる分野の商品を買うには、勇気を必要とする。ギター改造のために必要としている様々な電子部品と共に、それらをON・OFFするためのスイッチも必要となる。これらをまとめて購入するために、終業後「東急ハンズ」へ急ぎ足で向かう私であった。夕方はもう冬の入り口の気配がする。昨日、北海道では早めの初雪が降ったと聞いた。

渋谷のセンター街は相変わらず、怪しげな兄ちゃん、姉ちゃんで溢れている「今日は祭りか?」私のような田舎モノはすぐにそのような疑問を呈するのだ!さらに、なぜあんなにも顔を黒くしなければならないのだ?唇や眼の周りを白くしなければならないのだ?靴下がずり下がっていなければならないのだ?わざわざ足首を捻挫するための靴を履かなければならないのだ?そして、何故にして、ここにたむろしなければならないのだ?などと、言い古された疑問を再度振りまきつつ、私の足は「東急ハンズ」を目指すのだ!

会社を出る前に登録会員に言われた。「東急ハンズですか〜?高いですよ!秋葉原のガード下のおじさんに、その回路図を見せれば、全部そろえてくれますよ!」その言葉は甘美であった。しかし、私には帰り道というモノがある。渋谷なら定期券が使える!秋葉原は全く逆方向なのだ。使う電車賃分だけ東急ハンズが高くてもイーブンなのである。まずは渋谷の「東急ハンズ」で品定めをし、値段を調べて高かったら後日「秋葉原」に行くというのも手ではないか!

渋谷と言えば先週末に、PHSを駅付近で落としてしまった私だ。気づいたのは落とした5分後であった。いったん駅まで往復してみたが、発見できなかった。こうなれば、PHSを呼び出してみるだけだ。すぐに知人から携帯電話を借りて、自分のPHSの番号へかけてみた。誰が出るかとても楽しみなコールである。変な人やヤバイ人だとイヤだが、綺麗なね〜ちゃんだとちょっと嬉しいではないか!(なんだよそりゃ?)

「はい!もしもし!」おっさんの声であった。律儀な声である。まじめな声である。
「あの〜先ほどその電話を落とした者ですが・・・」
「この電話機は現在、渋谷ハチ公前交番で預かっています!」
「ありがとうございます!すぐに引き取りに伺います!」

何と言うことだ!たった五分後にもう交番へ引き渡されていたのだ。雨にもかかわらず、拾った方はお手柄である!お礼は、たっぷりはずまなければなるまい!!!そぼ降る中、傘もなく交番へ走った。交番の中では警官が私のPHSを握りしめて待っていた。

「電話番号をおっしゃって下さい・・・もう一度お願いします・・・はい!大丈夫ですね。それでは身分証明書を見せて下さい。はい。免許証で結構ですよ!はい。田辺さんですね。本人のようですから、遺失物届けを書いて下さい。書いていただければご返却いたします」
「書きました。これでよろしいですか?」
「はい。それではですね。これを届けてくれたのは渋谷のホームレスの方なんですよ。拾得物の権利は放棄すると言われていましたので、お礼は結構です。ですが、後日権利を主張されるかも知れませんので、その様なことがありましたら、又ご連絡しますので、お礼の対応をして下さい」
「了解しました。お手数おかけしました。ありがとうございました」

このように渋谷のホームレスに助けられた先週末の私だったのだ。これからはホームレスに優しくして上げよう。私もいつ、その立場になるやもしれん(なるのか?)おっと脱線してしまったが・・・ズンズンズン!歩は進む。渋谷駅から歩くこと約5分「東急ハンズ」の前に立った。相変わらず趣味人で溢れかえっている。

先日来、汗水垂らしてギターのボディー塗装を行い、こうやって電子部品を探し回っているのは、なかなか気持ちよい。キーボードに向かって何かを作っている時も気持ちよいのだが、手に触れるモノを造る快感には遠く及ばないことに久々気づいた。昔は手作りが好きで様々なモノを生み出していたのだが・・・やはり、人は趣味といえどもバーチャルだけでは生きていけないのだ!

やがて「東急ハンズ」が見えてきた。目指すは6階のCフロアである。そこに待つモノは果たして正解なのか?不正解なのか?欲しいモノはすべてそろうのか〜〜〜???指示されたコンデンサは全部そろうのか〜〜〜???そして、フロアの案内人おじさんの親切なご指導で無事にそろったかに見えたパーツだったが、そこには意外な落とし穴が!!!

以下、次号へ続く(ほ〜〜〜んとにホントだな?)



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